相続時精算課税制度は通常の贈与税のように贈与を受けたときに税金を納めるのではなく、贈与をしてくれた人が亡くなったときの相続税の計算に含めて税金を計算する方法で、平成15年1月1日以後の贈与から適用されるようになったものです。具体的には一定の要件に基づいて、20歳以上の子が65歳以上の親から財産を贈与された場合、贈与を受けた子はその財産の累積額が2500万円までは特別控除を受けて非課税とし、2500万円を超えた部分は一律20%で課税が行われ、贈与をした親が死亡したときの相続税の計算の中で贈与税を精算します。
住宅取得等のための資金の贈与受けたときは、親の年齢が65歳未満であっても選択することが出来、2500万円に1000万円が上乗せされて3500万円が住宅資金の特別控除額となります。
65歳以上の親から20歳以上の子である推定相続人への生前贈与が対象で、財産の種類、金額、贈与の回数には制限がありません。
最初の贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに子が税務署に「相続時精算課税制度選択届出書」と「贈与税の申告書」を提出が必要です。
相続時精算課税制度を適用した場合、2500万円まで納税がないので得のようですがその贈与財産はいずれ相続が発生した場合に、贈与時の価額で相続税の計算の中に含まれ相続税がかかることになりますのであまり変わりはありません。ですから110万円以下の贈与であっても基礎控除がないため相続税がかかることになります、また贈与財産の価額が相続時に下落するようなものについては相続税の税額が多くなり不利になりますので、相続発生時に相続税がかかるような方については慎重に選択をするようにしましょう。
親が持っている財産の合計が相続税がかかるほどでなく、一度に多くの財産を子に贈与したい場合などはこの制度は有効に活用できます。