会計事務所の基幹業務は、会計帳簿の監査・記帳代行業務から、所得税や法人税の申告の代理業務になります。また、相続が発生し、納税の必要性があれば、相続税の申告代理も行います。それゆえ依頼者側であるお客様と会計事務所との関わりというのは、会社の税務や会計、財産等についてだけではなく、個人の財産等についても、関わる場面が生じることもあるということになります。そうした意味合いもあるせいか、会計事務所を変えるという慣習は、最近まであまりなかったようです。
ところが最近では、社会構造のIT化進行をはじめ、企業を取りまく社会環境がめまぐるしく変化していることもあり、企業側のニーズも、自社内のパソコンの有効活用や新規導入、経営に関するさまざまな情報やノウハウの要求へと多様化しつつあり、会計事務所の選択も始まっています。とはいえ、やはり長く付き合いたいパートナーであることは確か、慎重に選びたいものです・・・。
会計事務所(税理士)業界は、税務申告・相談、あるいは会計という業務を専門としてこれまで成り立ってきました。いわゆる税金に関するプロフェッショナルとして・・・。一方で顧問を依頼する企業側はどうでしょうか?税務に関する相談や申告はもちろん必要でしょう。しかし、むしろそれ以上に、どういう風にして経営上発生してくる諸問題を解決したり、どういう風にして経営の舵取りをしていったらいいか指南してほしい、という願望のほうが大きいのではないでしょうか。それに対して会計事務所側も、サービス内容は各会計事務所によってまちまちです。相続税が専門の事務所もあれば、特定の業種に特化した事務所、記帳代行が専門の事務所等々様々です。自社に合った会計事務所を選ぶためには、その事務所の特性や顧客サービスの質を知る必要があるということです。
とはいうものの、会計事務所はサービス業です。実際にサービスを受けてみないと、その良し悪し、依頼者側の真の求めに応えてくれるかどうかは、非常に見えにくい業種です。だからといって、依頼した後に求めていたサービス内容ではなかったとしても、簡単に変えられないのが人情というもの。選ぶ段階が大切なのです・・・。